糸へのダメージ低減とガイドの耐摩耗性を追求！湯浅製トラバースガイドで高精度な糸巻取りを

トラバースガイドは、合成繊維の紡糸工程や仮撚工程、天然繊維のリワインダー工程などで、ボビンに糸を巻き取る際、糸が偏らないように糸を動かすための糸道部品です。「トラバース」という言葉は、横断や横切るという意味を持ちますが、糸がボビンの軸に対して横に動きながら巻き取られることから、この名前が付けられました。

この記事では、特に合成繊維の紡糸工程で使用される、湯浅糸道工業が提供するトラバースガイドの種類と、その優れた機能をご紹介します。

トラバースガイドの機能

トラバースガイドは、合成繊維の紡糸工程や仮撚工程、天然繊維のリワインダー工程などで使用される部品で、ローラーバレルやロータリーブレードに取り付けて使用します。糸をボビンに巻き取る際、糸が常に同じ場所に巻かれてしまうと、ボビン上で偏りが生じ、糸が山になり、巻き取りが不均一になります。これを防ぐためには、糸をボビンの軸に対して左右、または上下に往復して移動させる必要があります。

トラバースガイドは、この糸の移動をガイドし、ボビンに均等に巻き取られるようサポートします。ボビンの軸に対して糸をトラバースさせ、美しい巻姿を実現させるための重要な糸道製品と言えるでしょう。

トラバースガイドの種類

湯浅糸道では、主に紡糸工程で使用される「カムトラバースガイド」と「トラバースピード」の2種類を取り扱っています。これらの違いは、取り付ける機器にあります。カムトラバースガイドはローラーバレル式の巻き取り機に取り付けて使用し、トラバースピードはロータリーブレード式の巻き取り機に取り付けて使用します。

カムトラバースガイド

カムトラバースガイド（ Cam traverse guide ）は、セラミックスと樹脂で構成されており、糸が接触する部分にはセラミックスが使用され、樹脂の部分は金属カムの溝に挿入して使用します。セラミック製のホルダーが糸の通り道をガイドし、樹脂部分は金属カムに固定され、それが回転することで、カムトラバースガイドが一定のリズムで移動するという仕組みです。

また、異なる材質を組み合わせたアッセンブリには、射出成形による同時成形を採用し、接合部分の強度を高めています。

トラバースピード

トラバースピード（Traverse pede）は、ロータリーブレードに取り付けて使用する部品です。セラミックで作られており、ブレードの波目に合わせて固定され、糸を滑らかに移動させる仕組みです。セラミックの特性により、高い耐久性と滑らかな糸のガイド性能が確保され、安定した巻き取りが可能となります。

湯浅糸道製トラバースガイドの優位性とは

PLの割り線がない仕上げで糸へのダメージ低減を追求

湯浅糸道のトラバースガイドは、糸へのダメージを徹底的に低減することにこだわり生産しています。

通常、金型成形では、製品に必然的にPL（パーティングライン）の割り線が生じます。特に糸が通る部分に割り線が残ると、糸へのダメージは必至でしょう。
しかし、湯浅糸道のトラバースガイドでは、セラミック部分にPLの割り線がほぼ見られません。他社製品との比較写真を見ても、その仕上げの違いは圧倒的です。

※湯浅製カムトラバースガイドと他社製の違い

※湯浅製トラバースピード製品の仕上がり具合

弊社では、糸へのダメージを最小限に抑えるため、糸道製品の表面仕上げには余念がありません。さらに弊社では、セラミック製部品も樹脂製部品も、自社製造の金型を使用して成形しているため、高品質な糸道製品の生産が可能になっています。その結果、湯浅糸道のトラバースガイドは、他社製品と比べて糸をより高速で扱えるだけでなく、製品の交換頻度が減るため、コストパフォーマンスも非常に優れているのです。

糸の特性に応じた表面処理で更なるパフォーマンスを実現

湯浅糸道のトラバースガイドのもう一つの特徴は、お客様のニーズに合わせて表面処理の種類を選択できることです。
カムトラバースガイドでは、標準仕上げに加えて「鏡面仕上げ」をお選びいただけます。一方トラバースピードでは、「鏡面仕上げ」と「梨地仕上げ」の2つのオプションがあり、お客様の扱う糸の種類や用途に応じた、最適な表面処理が可能です。

弊社製品は標準仕上げでも十分な性能を発揮しますが、追加の表面処理を施すことで、糸へのダメージ低減や、糸道自体の耐摩耗性がさらに強化されます。これにより、よりお客様の要望に応じた高品質な糸道製品をご提供できるのです。

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摩耗スピードはセラミック以上？樹脂部分の摩耗への留意

カムトラバースガイドにおいては、機械の金属カムに取り付ける樹脂部分の摩耗が、セラミック製の糸道部分よりも早く進むことに留意する必要があります。

樹脂が摩耗してすり減っていくと、金属カムへの固定が不安定になり、正確な巻き取りができなくなります。つまり糸道の交換サイクルが早まり、結果としてコストが増加してしまうのです。

そのため弊社では、まず摩擦による樹脂の過熱を防ぐために、定期的なグリス塗布を推奨しています。また、樹脂の材質にもこだわり、ナイロン製樹脂「PA-F」と「PA-H」を採用することで、機械への取り付けやすさを保ちながら、耐摩耗性を強化した適切な硬度を確保しています。

機械のスピードに応じて最適な樹脂を選択できるため、よりお客様の機械や使用環境に応じた最適な選択が可能となっています。

お客様固有の課題に応える、湯浅の糸道製品

湯浅糸道は、糸道のプロフェッショナルとして、お客様の多様なニーズに応える豊富な商品を取り揃えています。一般的な製品から、機能をカスタマイズした製品まで、数万点に上るラインナップを誇ります。さらに、セラミック部品への表面処理などのオプションを加えることで、お客様固有の課題やニーズに柔軟に対応することが可能です。

今回ご紹介したトラバースガイドに関しても、お客様がお持ちの機器や機械に合わせたカスタマイズが可能です。また、商品のテストや評価を行いたい際には、実際の使用環境に応じてテストを行うこともできます。ぜひ、トラバースガイドをはじめとする糸道製品に関するご要望や課題について、弊社にご相談ください。

湯浅糸道製のトラバースガイドの製品ラインアップを、弊社の公式サイトでご覧ください。尚、製品一覧のPDF資料もダウンロードいただけます。

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