異常検知センサー「ストッパー」が繊維業界・ワイヤー製造業界の品質管理に果たす重要な役割とは？

繊維業界における品質管理の取り組みは、どの企業様も自社の製造プロセスのあらゆる段階で創意工夫をされていることでしょう。特に織りや編みの工程においては、繊細な糸を扱うため、テンションコントロールやリアルタイムモニタリングなどの細やかな品質管理体制が必須です。

本記事では、繊維業界では各種編み機や一般繊維機械に活用でき、ワイヤーを製造する現場では伸線機や巻線機にもに広く活用できる、「ストッパー」製品について詳しく解説いたします。主に「経糸（たていと）」の糸切れ検知するセンサーとなります。

ストッパー製品のコンパクト設計と高精度検知機能

湯浅糸道工業株式会社の「ストッパー」は、当社の「ヤーンセンサー」と並ぶ重要な装置であり、コンパクトな設計により、取り付けスペースの狭い箇所にも容易に設置できるのが特長です。このセンサーにはマイクロスイッチが内蔵されており、糸やワイヤーが切れた際に電気信号を送ることで異常を検知することが可能です。

より詳しい検知の仕組みは次の通りです。

ストッパー製品のコンパクト設計と高精度検知機能

通常、糸やワイヤーが問題なく糸道を走っている状態から、糸が切れると、連結していた糸道の構成部分が上がる仕組みになっています。この状態になることで電気信号が送られ、現場の管理システム上で異常の検知が可能となります。

例えば、織機のように縦に糸が多数走る場合、経糸が一本でも切れると製品の品質に大きな問題が生じます。「ストッパー」は、どの糸に不具合が発生したかを瞬時に見分け迅速に対応できる、現場にとっては無くてはならない生命線のような存在でしょう。

織機のように縦に糸が多数走る

特に織機の稼動が多い現場では、このストッパーと『緯糸』機械用のヤーンセンサーとを使い分けることで、効率的な品質管理が実現できます。

【ヤーンセンサーに関する記事】
> ニーズに合わせて機能を組み合わせる！「ヤーンセンサー」導入時のポイントとは

湯浅糸道のこだわり耐摩耗を徹底したセラミックスガイド

糸道（ガイド）部分にはセラミックスを採用しており、樹脂製や金属製に比べて耐摩耗性が良く、糸へのダメージを減少させられます。この「糸への負担低減」は、弊社が長年こだわって製品開発を進めてきた根幹であり、お客様の要望に最も自信を持って応えられる強みの一つです。

さらにご要望があれば、このセラミックス製ガイドに鏡面仕上げを施すことも可能です。

耐摩耗を徹底したセラミックガイド

ストッパー製品「A411023」と「N312027」の製品紹介

ストッパー製品の中でも、異常検知を電気信号のみで知らせる「A411023」と、電気信号に加え赤色のランプが点灯する「N312027」をご紹介いたします。

ストッパー製品「A411023」と「N312027」を紹介

「N312027」は赤ランプが点灯することで、現場にいる担当者が目視でも異常を認識でき、より迅速な現場対応が可能となるでしょう。
ただし注意点として、「A411023」は使用電圧が250V以下であればどんな現場でも設置可能ですが、ランプ点灯を必要とする「N312027」は24Vでの使用を推奨しております。

お客様の現場においては、独自の設備環境をもとにしたご要望があると思います。ぜひ個々の現場にとって最適な製品をお選びいただければ幸いです。

安全性と機能性を高めるストッパーへのカスタマイズ

その他にも、お客様の繊細な要望や機能的な活用方法への提案も行っております。

例えば、通常のストッパーへの通電接続では、導線が剥き出しの状態になるため、感電の心配をされるお客様もいらっしゃいます。

※デフォルトでは通電箇所が剥き出し状態になっている

このような場合には、ブラケットとターミナルを通電しないようにリード線を使用し、製品内部で接続するというカスタム対応が可能です。

これにより現場での安全性が向上し、安心してお取り扱いいただけます。

①製品内部で接続することで②導線が剥き出しにならない

さらに、製品に出力線を追加することで、シーケンサー制御も可能になります。
例えば、こちらはお客様側でのご対応となりますが、糸が切れた信号をキャッチした際、自動で機械の稼働をストップさせる仕組みを構築していただくことも実現可能です。また、糸が切れた時間や機械が停止した正確な記録をモニター表示するなど、お客様の現場環境に合わせた管理・制御システムを実現することができます。

こうしたストッパー製品へのカスタムを施すことにより、お客様の課題や要望に柔軟に対応し、最適なソリューションを提供いたします。