ストレージテンサーのイメージ写真

Case.2

アームの動きで安定したテンションを実現する「ストレージテンサー」

糸や電線に張力を与えるテンサーにはさまざまな種類がありますが、糸を屈曲させ、アームを動かすことで安定的に張力を与えることができるのが「ストレージテンサー」です。また、「ストレージ(蓄える)」という言葉がついているように、糸を戻したり進めたりする機能があるのも特長です。

今回は、ストレージテンサーの機能や特長、活用のポイントについて詳しくご紹介します。

 

ストレージテンサーの機能

① 糸の屈曲とバネの力でテンションを与え、糸を蓄える

製品に糸を通している状態(使用イメージ)

 

ストレージテンサーは、糸を屈曲させることと内蔵したバネの力でテンションを与えるテンサーです。また、テンサーの入り口と出口のどちらかに糸をキープして、反対側をフリーにすることで糸を貯め、糸を戻したり進めたりする機能があることが特長です。

編機織機撚糸機ワインダーなど幅広い機械で活用することができ、ポリエステル糸、ナイロン糸、毛、綿などでも使われています。
ただし、糸にクセをつけたくないワイヤーや、ガラス繊維、コーティングされた糸には不向きなため、それらの糸への使用は避けましょう。

 

② アームの動きで糸速変化に追従できる

アームが上下するので糸速変化に追従できます。糸がゆるんでも一定のテンションを与えることができ、テンションを安定的に制御できます。
糸の巻き取りがきれいにできるため、後工程の品質安定にも貢献します。

 

③ ダイヤルメモリで簡単にテンションをコントロール

1から9までのメモリの操作でテンションの調整が簡単にできます。操作する人によってテンションがバラつくことがなくなり、数値管理できるようになるため現場のオペレーションもスムーズです。

微妙なテンションの調整が必要な場合は、メモリのない無段階式を選ぶこともできます。

 

ダイヤルメモリ拡大写真

 

ストレージテンサーを使用する際のポイントとは?

得たいテンションに合わせた仕様を選ぶ

テンサーの仕様によって得られるテンションは変化します。全長の違いや、バーの本数を減らして屈曲する角度を変えたり、内蔵されているスプリングの線形の太さを変えたりするなど、仕様を変えることによりテンションを変えることができます。
強いテンションが欲しいときは、2個取り付ける方法もあります。

下の写真とグラフは得られるテンションを示したものです。このように仕様を変えることやばね線径変更することで、自社に適したテンションが得られます。

 

A302060スタンダード品(ばね線径φ0.8mm)

A302060スタンダード品(ばね線径φ0.8mm)

 

K302060A軽テンション仕様例(ばね線径φ0.5mm)

K302060A軽テンション仕様例(ばね線径φ0.5mm)

 

【試験条件】
糸:PET84T36F / 糸速度:500m/min / 入側張力:5gf

 

アイレットガイドの表面処理&取り付け向き

糸が通るアイレットガイドはセラミックですが、表面処理をノーマル品と鏡面仕上げ品から選ぶことができます。例えば、撚糸などは鏡面仕上げの方が摩擦を減らすことが可能です。

ノーマル品と鏡面仕上げ品の比較写真

また、アイレットガイドを取り付ける向きを変えることも可能です。
通常の取り付けは、糸の進行方向とアイレットガイドのつばが同方向になっていますが、糸走行中に強い力がアイレットガイドに与える場合は、つばを逆に取り付けることでアイレットガイドが外れにくくなります。

 

徹底した品質管理を実現し、課題を解決するYUASA

ストレージテンサーの検査・検品イメージ

 

ストレージテンサーは、構成するパーツが多い製品になりますが、YUASAは細かいパーツも全数検査しており、徹底した品質管理を行っているので安心してご使用いただけます。

また、お客様のニーズをかなえ、課題を解決する製品開発に日々取り組んでおります。
カタログにない仕様についても対応は可能ですので、ぜひ、お気軽にご相談ください。

 

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