糸の摩擦低減と柔軟な糸道設計！湯浅糸道の『クリールパーツ』で高品質な糸供給を

クリールパーツとは、合成繊維の仮撚り加工等の2次加工で使用される糸道製品であり、糸の通り道となる「クリールパイプ」を中心に、さまざまな附属部品を組み合わせて使用します。

たとえば、パイプ同士をジョイントする「ローラーエルボ」や、パイプの出入り口で糸へのダメージを極力抑える「アイレットガイド」などが含まれます。

クリールパーツによって構成された糸道は、糸の源であるクリールスタンド（ボビンが多数設置されたスタンド）から仮撚り機に糸を供給する際に重要な役割を果たします。この「道」は、糸をたるみや絡まり、汚れの付着などから守りながら、スムーズな供給を実現します。

当社のクリールパーツは、クリールパイプ本体をはじめ、多様なサイズや仕様の附属パーツを幅広く取り揃えています。そのため、お客様の現場環境や用途に合わせた柔軟な糸道の構築が可能となっています。

ここからは、クリールパーツを構成するそれぞれの製品について、詳しくご紹介いたします。

内壁の高精度研磨で糸を守る「クリールパイプ」

湯浅糸道が提供するクリールパイプは、アルミ合金製で、高い耐久性と機能性を兼ね備えた糸道部品です。カタログラインナップとしては、長さが30cm、1m、2mの3種類があり、最長は2m仕様です。
多くのお客様には、1mまたは2mのパイプがよく選ばれていますが、上記以外の長さにカットすることも可能ですので、ご希望の長さがございましたらお問い合わせください。

クリールパイプの最大の特徴は、その内壁にあります。内壁には、弊社独自の梨地加工が施されており、糸が走行中に内壁と接触したとしても、摩擦や損傷を極力抑えることが可能です。

さらに、クリールパイプには、内壁がストレートなタイプと、螺旋状の突起を施した螺旋溝タイプの2種類をラインナップしています。特に螺旋溝タイプは、内壁と糸が「点接触」する設計が特徴で、ストレートタイプの「面接触」と比較して、糸との接触面積を大幅に削減できます。

その結果、糸への摩擦がさらに低減され、繊維加工の工程において、より高品質な糸を供給することが可能となります。

ストレートタイプは内径12Φと10Φの2種類、螺旋溝タイプは10Φの1種類をご用意しています。また、特注品として径のカスタマイズをご希望の際はお問い合わせください。

糸へのダメージを徹底軽減する「アイレットガイド」

クリールパイプの両先端には、アイレットガイドを組み込むことが可能です。特にクリールパイプの入口と出口は、糸と壁が接触しやすい部分であり、ここにセラミック製の糸道パーツを組み込むことで、糸へのダメージを大幅に低減することができます。

糸とパイプの端面に角度が付く場合は特に糸へのダメージが大きい為、アイレットガイドを組み込むことをお勧めしています。

基本的には、クリールパイプとアイレットガイドは、部品ごとでの納品と、接着した状態での納品のどちらにも対応可能です。また、アイレットガイドはサイズ、表面仕上げ等を変更することができる為、柔軟な選択肢によりお客様のニーズに最適な仕様が提供できます。

アイレットガイドの製品ラインナップは、弊社公式サイトにてご覧いただけます。
> アイレットガイド製品ラインナップ

柔軟な糸道設計を可能にする「ローラーエルボ」

ローラーエルボは、現場環境に合わせた柔軟な糸道を構築する際に重宝します。

この製品は、パイプ同士をジョイントするためのもので、90°固定タイプと、80°から135°まで角度調整が可能なタイプの2種類をラインナップしています。これにより、糸の走行を直角に曲げたり、用途に応じて柔軟に角度をつけた糸道を構成することができます。

上記は、90°固定タイプのローラーエルボ製品の図面

上記は、80°から135°まで角度調整が可能なローラーエルボ製品の図面

ローラーエルボの中心部には、セラミック製のベアリングローラーガイドが組み込まれています。このベアリングローラーガイドは、糸がガイドに接触しながら走行する際に、ローラー自体も同時に回転する仕組みになっています。その結果、糸とガイドとの摩擦を抑え、糸へのダメージを最小限にとどめます。

上記は湯浅糸道製 ベアリングローラーガイド「A209061」

ベアリングローラーガイドの製品ラインナップは、弊社公式サイトにてご覧いただけます。
> ベアリングローラーガイド製品ラインナップ

「糸がガイドに接触しながら走行する際に、ローラー自体も同時に回転する仕組み」の詳細情報は、下記の関連記事よりお読みいただけます。
> セラミック糸道が実現する、繊維へのダメージ低減と長寿命化の技術革新

糸の走行を曲げる場合、糸とガイドが必然的に接触するため、必ず摩擦は生じるでしょう。しかし、このローラーエルボは、精密な表面仕上げとローラー構造によって、摩擦を大幅に低減する設計が施されています。そのため、複雑な糸道設計が求められる現場でも、糸の品質をしっかりと保ちながら、スムーズな走行を実現します。

また、ローラーエルボ以外にも、両サイドに外径サイズの異なるパイプ同士を接続できる、PVC（ポリ塩化ビニル）製の「チューブジョイント」という製品も取り揃えています。

多様なニーズに応える湯浅糸道の高品質クリールパーツ

糸という繊細な素材を、加工や製品化の過程で品質を損なうことなく次工程へ供給することは、繊維を扱う現場にとって非常に重要な課題です。
この品質保持を実現するため、湯浅糸道はクリールパーツのラインナップを充実させ、さまざまな現場のニーズに応える製品群を提供しています。

今回ご紹介した部品に加え、サイズや素材の組み合わせにも柔軟に対応しており、ほとんどのお客様のご要望にお応えできると自負しています。糸道構築に関してお困りの際は、ぜひ湯浅糸道工業にご相談ください。私たちが最適な解決策をご提案いたします。

お客様の要望を形にする柔軟な対応力、湯浅糸道工業

湯浅糸道工業は、単なる糸道部品の製造企業ではありません。糸道に関する特注品の製造はもちろんのこと、お客様の要望を形にするための製品や装置類まで、一貫して対応できる体制を整えています。

たとえば、他社製品が生産中止や在庫切れになった場合でも、弊社にご相談いただければ、代替品の製作をスピーディーに実現させます。自社で製品企画から設計、試作、量産までを一貫して行えるからこそ、迅速で柔軟な対応が可能となっています。

また、セラミック製品を取り扱う企業は国内にも多く存在しますが、糸道製品に特化して製造している会社は決して多くはありません。これこそが湯浅糸道工業の最大の強みです。糸道に関する幅広いニーズに応える製造環境や高い技術力、豊富な知識を有しており、繊維業界のお客様から信頼をいただいています。

創業100年で培った経験や実績、そして確かな知見を活かし、お客様の糸道に関する課題解決を全力でサポートいたします。
糸道のことなら、ぜひ湯浅糸道工業にお任せください。

> 湯浅糸道工業株式会社のコーポレートサイトはこちらより