Case.7製品紹介
「省エネ」×「高品質」を実現した「インターレーサー」の性能に迫る
合成繊維の紡糸では、フィラメントがバラバラにならないよう、糸に交絡をつける必要があります。そこで使われるのが「インターレーサー」です。
今回は、糸の性能に関わる重要な部品であるインターレーサーの機能と構造について解説すると共に、YUASAのインターレーサーの特長について詳しくご紹介します。
インタレーサーの機能と構造
インターレーサーとは、ノズルから圧縮空気を噴出する事でフィラメント同士を絡ませ、交絡を作る装置です。交絡は糸の強度や伸度、染色性など、糸の性能に関わるため、重要な部品といえます。
糸の交絡数については共通の基準はありませんが、製品の品質を保つため、企業独自の基準が定められている場合もあります。
糸を所定の位置にセットする「前後ガイド」、圧縮空気をインターレースガイドに供給する「エアノズル」、エアノズルにより供給された圧縮空気で糸をインターレース加工する「インターレースガイド」で構成されています。
YUASAのインタレーサーの特長
特長① 省エネ性能に優れ、ランニングコストを低減
インターレーサーは圧縮空気を出すために電力を消費しランニングコストが発生しますが、YUASAのインターレーサーは、空気が吹き出す孔の直径を小さくし、空気の消費量を減らしても今までと同様の交絡が作れる省エネ設計。消費電力が抑えられ電気代が削減できます。
こちらの表は、孔の直径の異なる二つのインターレーサーで使用する空気の消費量と電気代の試算です。0.1mmの違いで、10%以上の省エネにつながります。
電気代比較表
<前提>
温度20℃の空気で細かな条件を無視して2種のインターレーサーの流量を計算すると
・エアー孔 φ1.3 mm×12 0.4 MPa … 消費流量 955 L/min
・エアー孔 φ1.2 mm×12 0.4 MPa … 消費流量 814 L/min
<コンプレッサでの圧縮空気のコスト>
保全費、設備の償却を無視して、下に示す式より大まかに計算する。※実際の圧縮空気のコストは以降で示す値にこれらの費用が加算される。
※但し、電力費は定格出力/モータの効率×電力料金で求める。
<条件>
・定格出力 … 75 kW
・吐出し空気量 … 14.7㎥/min
・モータ効率 … 90%
・電力料金 … 20円 kW/h
・稼働時間 … 24h/day
⇒ 計算した結果、1 L 当りのコストは 0.00189 円となる。
(電力費=75/0.9×20=1,666.66 圧縮空気の吐出量=14.7×1,000×60=882,000 圧縮空気のコスト=1,666.66/882,000=0.001889)
※×1,000 … ㎥をLへ換算/×60 … minをhに換算
省エネでも、交絡の品質は変わりません。他社製と比べても、均一な交絡を作ることが可能です。
↑ 他社のインターレーサーで加工した交絡糸
↑ 湯浅のインターレーサーで加工した交絡糸
※上記の交絡糸は同条件で湯浅製インターレーサーと他社製で加工した交絡糸の比較の一例
特長② 糸へのダメージを抑える表面処理
表面処理技術はYUASAの得意分野。
前後ガイドとインターレース部に使用するセラミックは、独自の技術で摩擦を抑える表面処理を行っています。インターレース加工時に発生する糸へのダメージを抑え、安定した品質を実現します。
特長③ セパレートタイプでメンテナンスがラク
インターレースガイドは2枚のセラミックのガイドをネジで固定しており、いつでも外せるセパレートタイプ。
糸を生産する過程で起きる糸の詰まりや、白粉を溜めたままにしておくと、インターレースの効果が十分に発揮できなくなります。一体型に比べセパレートタイプは掃除がしやすく、メンテナンスがラクにできます。
特長④ 多様な種類とオーダーメイド対応
取り付ける設備や環境に合わせて、「シングルタイプ」「ダブルタイプ」「マルチタイプ」をご用意。糸のピッチが違う種類もあり、マルチタイプでは4mm・6mm、シングルタイプでは12mm、14mmがあります。
要望に合わせてサイズや形などオーダーメイドでの対応も可能。最適な製品をご提案します。ぜひお気軽にご相談ください。
顧客ニーズに応える製品を追求するYUASA
「より品質の高い製品を安く生産したい」「メンテナンスや管理の手間を省きたい」
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