ヒステリシステンサーの写真

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糸振れを抑制!画期的な装置「ヒステリシステンサー」の機能とは

繊維製品の品質管理において、糸や電線に張力を付与するテンサーは重要な装置です。その中でも、磁力を利用した新しいテンサー「ヒステリシステンサー」は、製造現場の長年の悩みだった糸振れ(バルーン)による錘ごとの張力ムラを抑えることができる画期的な性能が注目されています。

今回は、品質管理の向上が大きく期待できるヒステリシステンサーの機能や特長について、詳しくご紹介します。

新製品「ヒステリシステンサー」の優れた機能・特長とは?

ヒステリシステンサーの写真

 

張力を強くしたり弱くしたりするテンション装置としては、皿を使ったワッシャテンサー、バネをつかったスプリングテンサーなどがありますが、ヒステリシステンサーは磁石と金属プレートの間に発生する磁力を利用してローラーに抵抗をかけ、張力をコントロールします。

整経機において糸振れによる張力変動を抑制するだけでなく、整経機以外でも糸振れの激しい箇所や、糸の入側と出側で角度が変わる箇所において有効です。

では、具体的な機能・特長を見ていきましょう。

 

特長①:張力変動の原因となる糸の振れをコントロール

通常、テンション装置から糸が出た後、張力のブレが起こり、糸が旋回してバルーンが発生します。ヒステリシステンサーはこの張力のブレを抑えバルーンの発生を防ぐことができるのです。

ワッシャテンサーとヒステリシステンサーを比べてみると、糸を送り出した後の矢印の部分で、ヒステリシステンサーは糸のブレが抑えられていることがわかります。

 

ワッシャテンサーとヒステリシステンサーの比較写真

 

また、下のグラフはそれぞれの発生張力を計測したものですが、ワッシャテンサーに比べてヒステリシステンサーの方が張力の変動の幅が小さいことが数値でも確認できます。張力のムラが少ないことが、バルーンの発生を防ぐことにつながっているのです。

 

発生張力を計測したグラフ

 

特長②:張力設定はダイヤル操作の簡単操作で現場オペレーションにも貢献

糸の種類や取り付ける機械や場所によっても、糸にかけるべき張力は異なります。そのため、テンサーを使用する際にはただ取り付けるだけでなく、適切な張力設定が欠かせません。

ヒステリシステンサーはメモリのついたダイヤルがついており、ダイヤルをメモリに合わせるだけの簡単操作で張力の設定が可能です。
最初に張力の数値を決めておけば誰もが簡単に操作できるため、機械の習熟度に左右されず現場でのオペレーションがとてもスムーズに行えます。

 

張力メモリつまみ拡大写真

 

特長③:非接触のブレーキディスクのローラーで半永久的に使用可能

ヒステリシステンサーは内蔵された磁石と、ローラーに取り付けられた金属のブレーキディスクとの間で発生する磁力を使って、ローラーに抵抗をかけます。この磁石とブレーキディスクとの空間を広くしたり狭くしたりすることで、張力をコントロールしており、磁石とブレーキディスクは非接触です。また、糸を送り出しながらローラーに抵抗をかけているため、糸とローラーが擦過することもありません。

そのため、摩耗することがなく半永久的に使用が可能で、部品を交換するコストと手間の削減が期待できます。

Hysteresis-tensor-03.jpg

 

ガラス繊維や安全基準が厳しい製品などでの厳しい張力管理にも対応

精密機器等のイメージ画像

 

ヒステリシステンサーは、精度の高い張力コントロールが可能で糸にダメージを与えることもないため、特に高い品質管理が求められる現場で性能を発揮します。

安全基準が厳しい製品や、ガラス繊維などの極細繊維を使った現場などに導入されれば、品質の安定が図れるだけでなく、付加価値の高い新たな製品づくりの強い武器となるでしょう。

 

現場の課題を解決する「YUASA BRAND」

製品開発イメージ

 

今回は、長年あった「糸振れの抑制」という現場の悩みを解決するヒステリシステンサーをご紹介しました。

私たちは、糸を走らせるガイド部品である「糸道」の開発製造に約100年向き合い続けています。これからも、お客様の課題を解決し、ニーズに応える製品づくりを目指すことは変わりません。何かお困りごとなどあればお気軽にご相談ください。

 

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