再めっきイメージ

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摩耗した部品がここまで再生!使用済み品への「再めっき」加工

工場で使用する多くの部品には耐久性を高めるためにめっき加工がされています。しかし、そのように耐久性を高めた部品であっても、摩擦や経年変化によって劣化は避けられないのが現状です。

劣化した部品を使用し続けると品質を損なう恐れがあり交換する必要がありますが、コストがかかり、なかなか踏み切れないことも多いのではないでしょうか?そんな時には再めっき加工がおすすめです。

YUASAは自社製品への硬質クロムめっき加工はもちろん、他社製品の再めっき加工も手掛けています。今回は、お客様から支給された製品に再めっき加工を行った事例を通して、再めっき加工について詳しく解説していきます。

独自の工夫で品質の違いを生み出すYUASAの再めっきとは

再めっきとは、金属などに加工されているめっきを剥離させ、素地の状態にして再度めっき加工することをいいます。表面の仕上げ方によって工程に違いがあります。

YUASAの再めっきの工程について詳しくご説明しましょう。

梨地仕上げ

梨地仕上げ

 

薬品を使ってめっきを剥離させたあと、YUASAでは研磨機で加工前の下処理を行います。
自社で開発した独自の研磨機を始め、再めっきする部品に合わせて複数の機械を組み合わせて研磨し、糸に有害な傷を消すなど必要な処理を行います。

次に、梨地加工を液体ホーニングで行います。
液体ホーニングとは、水の中に研磨剤を入れて噴射し素材の表面に凹凸状態をつくる加工法のこと。梨地に仕上げる方法は他にもありますが、YUASAでは、糸にダメージを与えない滑らかな丸みのある表面に仕上げるため液体ホーニングを採用しています。

また、より品質を高めるため、すべて自社開発のオリジナル機を使い加工しているのが特徴です。

 

最後に、工業用クロムめっき(硬質クロムめっき)専用の自社設計のめっき槽でめっき加工します。電解めっきを採用し、溶液は糸との相性が良いケイフッ化浴を使っています。

梨地めっき加工手順

 

鏡面仕上げ

拡大写真:めっき加工後・研磨後

 

薬品を使ってめっきを剥離させたあと、梨地仕上げと同様に研磨機で加工前の下処理を行います。
めっき加工の質を高める重要な工程です。

次に、めっき加工を行います。
梨地仕上げと同様に、工業用クロムめっき(硬質クロムめっき)専用の自社設計のめっき槽でめっき加工します。電解めっきを採用し、溶液は糸との相性が良いケイフッ化浴を使っています。

 

最後に、仕上げの研磨を行います。
めっき加工をして一見きれいに仕上がっているようでも、触るとざらつきや空気が入って微細なひっかかりがある場合があります。そのままにすると糸が切れたり毛羽立つ恐れがあるため、さらに研磨することでそういった不具合を無くしていきます。

めっき鏡面加工手順

 

事例で見るYUASAの再めっき加工

それでは、実際にお客様から支給された部品を再めっきした事例をご紹介します。
織機の縦糸を供給する部品を再めっきした事例です。梨地仕上げ、鏡面仕上げの両方を行いました。

梨地仕上げ

こちらは、まだ加工前の状態です。全体に梨地の硬質クロムめっき加工がされていますが、糸の摩擦によって所々摩耗して梨地加工が失われている箇所が見られます。

【全体】加工前

【梨地仕上げ事例】全体の写真

【摩耗部拡大】加工前

【梨地仕上げ事例】摩耗部拡大の写真

 

下の写真は薬品を使用してめっきを剥がした後の状態です。傷は見られず、摩耗は素材までは達していない状態でした。

【全体】めっきを剥がした後

【梨地仕上げ事例】全体の写真

【摩耗部拡大】めっきを剥がした後

【梨地仕上げ事例】摩耗部拡大の写真

 

研磨した後の状態です。研磨をすることによって、めっき加工の仕上がりが違います。

【全体】研磨した後

【梨地仕上げ事例】全体の写真

【摩耗部拡大】研磨した後

【梨地仕上げ事例】摩耗部拡大の写真

 

液体ホーニングで梨地加工をした状態です。均一にムラなく仕上げています。

【全体】液体ホーニングで梨地加工

【梨地仕上げ事例】全体の写真

【摩耗部拡大】液体ホーニングで梨地加工

【梨地仕上げ事例】摩耗部拡大の写真

 

再めっきを行った状態です。摩耗の跡もすっかり消え、新品同様の仕上がりになりました。

【全体】再めっき後

【梨地仕上げ事例】全体の写真

【摩耗部拡大】再めっき後

【梨地仕上げ事例】摩耗部拡大の写真

 

鏡面仕上げ

加工前の状態です。鏡面の硬質クロムめっき加工がされていますが、糸の摩擦によって所々摩耗が見られます。

【全体】加工前

【鏡面仕上げ事例】全体の写真

【摩耗部拡大】加工前

【鏡面仕上げ事例】摩耗部拡大の写真

 

めっきを剥がした後の状態です。こちらも傷は見られず、摩耗は素材までは達していない状態でした。

【全体】めっきを剥がした後

【鏡面仕上げ事例】全体の写真

【摩耗部拡大】めっきを剥がした後

【鏡面仕上げ事例】摩耗部拡大の写真

 

再めっきした後の状態です。とてもきれいで完成しているように見えますが、このあとさらに研磨をかけ仕上げていきます。

【全体】再めっき後

【鏡面仕上げ事例】全体の写真

【拡大】めっき加工後・研磨前

拡大写真:めっき加工後・研磨前

【拡大】めっき加工後・研磨後

拡大写真:めっき加工後・研磨後

 

持ち込み歓迎!再めっきのご相談はYUASAにおまかせ

受付電話の写真

 

再めっきは、コスト削減への貢献はもちろん、資源を有効活用し、今注目されているSDGsの取り組みにもつながります。

今回ご紹介した事例を参考に、再めっきをご検討してみてはいかがでしょうか。糸に精通しているYUASAならではのノウハウで、お客様の課題やニーズにお応えします。
ご不明な点やご相談があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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